からくりサーカスは週刊少年サンデーにて1997年から2006年まで連載された漫画で、今なお根強い人気を誇る人気作品です。連載が終了して12年後の2018年に待望のアニメ化を果たしましたが、アニメがひどいという批判が相次いでいます。そこで今回は、からくりサーカスのアニメがひどいと言われる理由やリアルな評価を調査しました。
目次
【からくりサーカス】とは
からくりサーカスは1997年から2006年まで約9年に渡り週刊少年サンデーで連載された長編漫画で、連載が終了した現在も根強いファンがいる人気作品です。まずはからくりサーカスがどのような作品なので、概要やあらすじをチェックしておきましょう。
からくりサーカスの作品概要
藤田和日郎さん原作のファンタジーバトル漫画で、1997年32号から2006年26号まで週刊少年サンデーにて連載され、単行本は全43巻という長編であり、累計発行部数は2018年3月時点で1500万部を突破しています。
2006年に連載が終了し漫画はすでに完結していますが、2018年16号の週刊少年サンデーでテレビアニメ化が発表されました。
人間と敵対する自動人形との戦いを描いた作品で「からくり編」「サーカス編」「からくりサーカス編」「機械仕掛けの神編」の4つの編によって構成されています。各編の間に解説役としてピエロが登場することで、作品全体が1つの演劇のように描かれているのが特徴です。
からくりサーカスのあらすじ
人を笑わせないと生きていけない奇病「ゾナハ病」の加藤鳴海、父親の莫大な遺産相続争いに巻き込まれ命を狙われる才賀勝、高い戦闘力を持つ操り人形「あるるかん」を操る美女・しろがねの3人が、数奇な巡り合わせによって出会います。
そしてあらゆるしがらみや深い因縁が絡み合うサーカスを舞台に、3人は過酷な運命に翻弄され、長い戦いに巻き込まれていくのでした。
【からくりサーカス】主な登場人物
からくりサーカスは人を笑わせないと息ができない病気の青年・加藤鳴海と、莫大な遺産を相続し命を狙われる少年・才賀勝、勝を護る人形使いの美女・しろがねの3人を主人公として、物語が進んでいきます。ここでは3人がどのようなキャラクターなのかご紹介していきますので、ぜひチェックしてみてください。
才賀勝
小学5年生の男の子で、作品の主人公の一人です。父親は国内有数の家電メーカー「才賀グループ」の社長ですが、勝は正妻の子ではなく愛人が産んだ子でした。気が弱く内向的な性格で、母親が亡くなったことで父親に引き取られるものの、家庭では冷遇され学校ではイジメを受けるという苦しい日々を送ります。
しかし父親が急死したことで莫大な遺産を相続することになり、親族たちに命を狙われることになってしまうのでした。作中では鳴海やしろがねをはじめとした多くの人々との出会いを経験してたくましく成長していき、自らも自動人形との戦いに身を投じていきます。
加藤鳴海
アニメ「からくりサーカス」第3話、今日見た人はどうだったかね!?
鳴海のアクションかーっこ良かったでしょー!
くー!観たかったーーーー! pic.twitter.com/vaYLp4qoL8— 藤田和日郎 (@Ufujitakazuhiro) November 29, 2020
主人公の一人・加藤鳴海はゾナハ病に苦しむ19歳の青年で、中国拳法の使い手です。人を笑わせなければいけないという病気を少しでも良くするため、サーカスでアルバイトをしています。正義感が強く熱血漢な性格で、子供には非常に優しく、命を狙われ追われる勝と出会い彼を守ろうと奮闘します。
連れ去られた勝を救出する際、爆発から勝をかばった後に行方不明となり記憶を失いますが、その後世界中でゾナハ病と自動人形に苦しめられる人々を目にし憎悪を募らせるのでした。
そして戦えないものたちのため、全ての元凶である自動人形にとっての「悪魔」になると誓い全ての自動人形を破壊すると決意します。
しろがね
作中のメインヒロインで、銀髪と銀目が特徴のミステリアスな美少女です。本名はエレオノールで、勝を守るために彼の祖父である才賀正二が用意していた人形使いです。
しろがねは高い戦闘力を持つ巨大なマリオネット・あるるかんを操り、加藤鳴海とともに勝を救出するために戦いました。勝を助け出した後は、彼と共にサーカスに入団し全国を回ることになります。
口数が少なく、クールで落ち着いており笑顔を見せることはありませんが、天然ボケな一面もあり守る対象である勝には愛情を持って接します。辛い過去を背負っていますが、勝や鳴海と出会ったことで少しずつ人間らしさを取り戻していくのでした。
【からくりサーカス】アニメがひどいという評価の理由
からくりサーカスの原作漫画は2006年に連載が終了しましたが、その後2018年にアニメ版が放送されました。原作漫画な人気だったためアニメも期待されていたものの、実際にはひどいという評価が多くありました。ここではアニメがひどいと言われた理由をご紹介していきます。
アニメがひどい理由①原作をカットし過ぎている
原作ファンからは、原作をカットし過ぎているという声が多くありました。原作は全42巻という長編漫画ですが、アニメ版ではそれを36話に再編しているため、カットしたシーンが多くなってしまったのです。
例えば、追手から逃げる最中に出会った仲町サーカスの仲間たちとのエピソードやサハラ砂漠編は大幅にカットされ、勝の修行シーンもカットされていました。作中の重要キャラの登場や活躍、過去や最期といったシーンもカットされたり簡略化されたりしています。
本作には名シーンが多くありますが、期待されていたシーンや自分が好きなシーンがカットされ、物足りなさやショックを感じたファンもいたのでしょう。
アニメがひどい理由②展開についていけない
原作を読んでいない視聴者からの声として多かったのが、展開についていけないというものです。先にご紹介したように、アニメでは原作からカットされたシーンが多くなりました。そのため重要なシーンもカットせざるを得なくなり、話の展開が急になって原作を知らない視聴者はついていけなくなってしまうのです。
カットされたシーンが多くなったことで、登場キャラの変化が急だったり、ストーリーの設定や背景が説明不足になったり、謎が解決されないまま話が進んだりしてしまいました。話の繋がりがよく分からず、途中で興味を失ってしまった視聴者もいたでしょう。
アニメがひどい理由③作画や演出にがっかり
アニメの作画や演出にがっかりした、というのもひどいと言われる理由です。原作漫画は迫力ある美しい作画が魅力の一つでしたが、アニメではそれをうまく再現できていないという意見がありました。
視聴者の声としては「キャラの顔や体のバランスが悪い」「表情や動きが不自然」「背景や色使いが安っぽい」「からくり人形や悪魔のデザインが雑」「バトルシーンの演出が地味」といったものが見られました。しかし好みが分かれそうな作画だという意見がある一方で、作画が美しいという声もあります。
アニメがひどい理由④キャラクター同士の関係性がわからない
「からくりサーカス」32話
アルレッキーノ「我々が居なくなった後、エレオノール様を託せるのは、お前だけだ。」「暇乞い」という名の死亡フラグ。
勝を遠ざけて、鳴海と二人きりにしてあげたり
ここでも「エレオノール様」と言ってるんですよね。「機械を超えた人間」になってますよね。 pic.twitter.com/ZXDAJ4P0ni
— アレンジングマーズ (@ArrangingMars) April 10, 2021
原作から大幅にカットされたことで重要なシーンや重要キャラも省略され、キャラクター同士の関係性がわからなくなってしまったのも理由と言えるでしょう。
例えば、「最古の四人」の一体・アルレッキーノと鳴海が出会うシーンでは、原作からエピソードが省略されたことで、アニメでは初対面のはずのアルレッキーノが鳴海に対していきなり失望する展開となり、なぜそうなるのか困惑する視聴者が続出しました。
アニメがひどい理由⑤キャラクターと声優が合っていない
アニメではキャラの声を担当する声優も重要なポイントとなりますが、からくりサーカスのアニメではキャラクターと声優が合っていないという意見も見られました。
特に、メインキャラの年齢設定は10代なのに対して、加藤鳴海役を小山力也さん、しろがね役を林原めぐみさんと担当した声優はベテランであり、イメージと違ったという視聴者もいたのでしょう。
しかし、からくりサーカスのアニメ声優が発表された際には「しろがね役が林原さんなのは意外」という声がある一方で「イメージ通り、理想通り」「これ以上ない人選」と絶賛する声も多くありました。
【からくりサーカス】良い評価も!魅力もご紹介
アニメに厳しい評価が続出しているからくりサーカスですが、作品自体には良い評価も多くなっています。壮大なスケールの物語や繊細な絵、心に響く名言の数々は、からくりサーカスの大きな魅力です。
壮大なスケールの物語
からくりサーカスは緻密に張り巡らされた伏線と、伏線が回収され物語が繋がった時の衝撃的な展開が魅力の一つですが、伏線と複雑に絡み合う因縁は数百年に及ぶという壮大なスケールの物語です。
伏線の張り巡らせ方や回収の仕方が見事で、物語が繋がり衝撃の真実が明らかとなったり、意外な人物や場所が繋がったり、過去に登場した人物がいざというところで再登場したりするシーンは「鳥肌もの」「驚きが隠せない」「感心してため息が出る」と多くのファンを魅了しています。
繊細に描かれた絵
からくりサーカスのアニメだけ見て終わるのは人生の12割くらいは損してるので原作読め(´°ω°`) pic.twitter.com/1eK2060zy3
— 機動大尉/ナイフツクル (@kidoudensuke) July 19, 2020
非常に細かい線を駆使し、繊細に描かれた絵も大きな魅力です。加藤鳴海の決意した表情や力強い拳、顔のシワなどを非常に多くの線を書き込むことで表現しています。色で陰影をつけず線で描くことで迫力のある絵になっており、見どころの一つと言えるでしょう。
心に響く名言がいっぱい
敵味方問わず作中に登場するキャラのセリフが素晴らしく、心に響く名言も数多くあります。名言と呼ばれるセリフを使うキャラや場面が絶妙で、シンプルかつストレートな名言は心に響くでしょう。からくりサーカスの数々の名言には「学ぶことが多い」「生きる活力をもらえる」「泣けてくる」といったファンの声も多くあります。
【からくりサーカス】原作が素晴らし過ぎるからこそアニメに不満が出ている
今回は、からくりサーカスのアニメがひどいと批判される理由やリアルな評価を調査しました。アニメに批判が続出している理由としては、原作をカットし過ぎて展開についていけない・キャラ同士の関係性がわからない、作画や演出にがっかりした、キャラと声優が合っていないことが挙げられます。
しかし原作漫画は壮大なスケールや繊細に描かれた絵、心に響く名言の数々などの魅力がある人気作品で、原作が素晴らし過ぎるからこそアニメに不満が出ていると言えるでしょう。からくりサーカスに興味を持った・魅力を知りたいという方は、ぜひ原作漫画を楽しんでみてはいかがでしょうか。