デスゲームに巻き込まれた主人公たちを描くバトル漫画「リアルアカウント」に登場する「箱」は、名前も含め謎に包まれたキャラクターです。人間サイコロだったという謎の過去を持つ箱とはどのようなキャラクターなのか、正体が気になる方もいるのではないでしょうか。今回は、そんな箱の謎の過去や正体について調査しました。
目次
【リアルアカウント】作品情報
「リアルアカウント」は講談社の「別冊少年マガジン」「週刊少年マガジン」にて連載された漫画で、原作はオクショウさん、漫画は渡辺静さんです。まずは「リアルアカウント」がどのような作品なのかチェックしておきましょう。
リアルアカウントはバトル漫画
SNSの世界に閉じ込められ、負けは死を意味するデスゲームに巻き込まれた主人公たちの苦闘を描いたバトル漫画です。
作品は3部構成で第1部は「別冊少年マガジン」2014年2月号~10月号、第2部は「週刊少年マガジン」2015年4・5合併号~2018年29号、第3部は「別冊少年マガジン」2018年9月号~2019年12月号で連載されました。単行本は全24巻が刊行されており、累計発行部数330万部を突破した人気作品です。
リアルアカウントの内容は?
高校2年生の柏木アタルたちは、ある日突然国民的SNSである「リアルアカウント」の世界に閉じ込められてしまいました。そしてフォロワー数が0になると即死、中の人が死んでも即死というデスゲームへの参加を強いられ、命がけの闘いをすることになります。
争い衝突しつつゲームを攻略していきながら、主催側であるリアルアカウント社の真相にも迫っていくのでした。第1部は主人公のアタル視点、第2部はアタルと双子であるユウマ視点で描かれ、第3部では第2部の半年後のユウマ視点で全ての真相が明かされていきます。
【リアルアカウント】箱とは?
登場人物の一人である箱も、ゲームに参加するプレイヤーの少年です。箱というインパクトのある名前も含め、謎めいたキャラクターとして話題となっていますが、どのような人物なのでしょうか。ここでは箱のキャラや登場シーンについて解説していきます。
箱のキャラ
リアアカ箱くんのことばっか話してるけどアイジちゃんくんもよろしくな! pic.twitter.com/PDetIlYlo6
— 我マズミ (@r4mzm) September 21, 2017
名前の通りダンボール箱を頭からかぶり、空いた2つの穴から目がのぞいているという不気味なビジュアルが特徴です。普段はビクビクしていて無口ですが、箱を取るとハイテンションでよくしゃべる天才ギャンブラーへと変わり、時に平気で人を傷つける残忍な一面も見せます。
箱を取った時のビジュアルはツンツンの髪の毛と三つ編み、吊り目の三白眼、八重歯です。また常識外れな強運の持ち主でもあり、他人のIDをヒント無しで勘で当てたり、くじ引きで86回連続で当たりを引いたりしました。
箱にとって運は絶対であり、はずれを引いたものは死ぬべき、当たりを引いたら自分と同じ選ばれ者という危険な思想を持っています。
箱が登場するシーンとは?
初登場は第2部「SNS鬼ごっこ」終了間際で、ゴール地点でゲームをクリアしたプレイヤーとして出てきます。本格的にストーリーに登場するのは第3部で、単行本20巻に収録されている156話から箱の過去について描かれていきます。
普段は頭からダンボール箱をかぶり「必要な人間は運に必ず選ばれる」と言うほどに運を絶対視している彼には、どのような過去があったのでしょうか。
【リアルアカウント】箱の正体と過去
リアルアカウントってやつ見てないんだけど箱くんって言うキャラがいるらしい pic.twitter.com/ZlwKXh8uT1
— 尿検査 (@2929boc) August 4, 2022
「運は絶対」と考えるようになったのには、彼の過去に原因があります。壮絶な過去から精神的に不安定になり、普段は弱気だけれど箱を取ると強気になるといった激しいギャップが生まれました。ここでは、気になる箱の正体と過去について見ていきましょう。
9年間人間サイコロとして生活し
生まれてすぐに親に捨てられた彼は、闇カジノのオーナーの女性に買われて命は助かります。しかしそこでは9年もの間、ギャンブルの一つである「人間サイコロ」として鋼鉄のサイコロの中で生活することになったのです。
サイコロには食事の差し入れや排泄用に小さい穴が空いているだけであり、外からは隔絶され監禁状態でした。与えられる食事の量は、その日にカジノの最後のショーで出たサイコロの目で決まり、1が出た場合にはほんの少しの食べ物しか与えられません。
「いつかは外に出してもらえる」と思っているうちに9年もの歳月が経ち、次第にここまで運に見放されているなら死ぬべきではと考えるようになります。
飛行機事故で自分以外全員が死亡
この男の異常な在り方に納得できてしまう回だった
暗く狭い箱の中で惨めに生きる不運な自分と眩しく華やかな世界で生きる幸運な人々
しかし人を嘲笑う醜き者たちは運に見放され、己だけが世界に選ばれた
彼が”箱”である理由、すべてを”運試し”で決める理由、それは彼の人生そのもの#リアルアカウント pic.twitter.com/t1SO0pQMYj— (ありノ°ω。)ノ゙@ふぁぼ魔 (@arisa_anfg) June 4, 2019
人間サイコロだった箱が、外に出てゲームに参加することになったのはなぜでしょうか。閉じ込められ9年が経ったある日、闇カジノのオーナーと人間サイコロで「偶数の目なら自由になれる、奇数の目なら死」という確率2分の1の勝負することになります。
しかし出た目は1で奇数だったため死が確定したかに思えたところ、闇カジノに飛行機が墜落してきたのです。頑丈な鋼鉄のサイコロの中にいた箱だけが生き残り、さらに事故の衝撃でサイコロが開いて外に出ることができます。
そして本当はサイコロの目は2の偶数が出ていたことを知り、騙されていたと分かるのでした。飛行機事故のおかげで自由を手に入れ運の良さを身をもって体験したことで、それ以降運を絶対視するようになり「自分は強運の持ち主だ」として天才ギャンブラーとして生きていくことになります。
【リアルアカウント】箱とミズキの関係
作中には、箱との関係が深いキャラクターとしてミズキが登場します。ミズキとはどのような人物なのか、箱とミズキの関係について見ていきましょう。
ミズキとは
第2部で登場するプレイヤーで、本名は蔵科(くらしな)ミズキ、誕生日は4月19日で年齢は不明です。セミロングヘアの長身イケメンですが、目の下のクマややせ細った身体、暗い表情が不気味で異様な雰囲気が漂っています。
自殺サイト「黒い水槽」を運営しており利用者の自殺を手伝っていたこともあり、傷の重症度や死因の特定が特技です。趣味は絶望した人間の顔を撮影し、その写真を集めることですが、これは子供の頃に自殺した絵本作家の母親に会うためでした。
彼女の作中に出てくる「ぜつぼうのくに」に母親が行ってしまったと思い込み、自分もそこに行くための通行料として他人が絶望した顔の写真を集めているのです。しかしプレイヤーとなって出会った向井ユウマに母親の死の真実を暴かれたことで、次はユウマを自分の新たな支配者として認識し彼にまとわり付くようになります。
ユウマを殺す感情をミズキの潜在意識に植えつける
運を絶対視する箱は常にくじを持っていて、出会った者たちに引かせていきます。当たりを引いた人間は「世界に選ばれし者」として扱う一方で、はずれが出た人間には「死ね」と暴言をあびせるのでした。ユウマやあやめをはじめ次々とはずれを引く中で、ミズキは見事当たりを引きます。
箱はミズキに目を付け、容赦ない暴力と甘い言葉でミズキを洗脳していき、新たな世界で生きるためにユウマを殺すよう潜在意識に植え付けました。箱の誘導でユウマを殺そうとしますが、ユウマやあやめの友情に改めて気づいたり、自分が支配ではなく仲間を求めていたことを思い出したことで洗脳から解放されます。
【リアルアカウント】ネタバレ・最終回はどうなる?
ストーリーは3部制で、最終章となる第3部では第1部に登場するアタルと第2部に登場するユウマが双子だったことが判明します。しかしユウマには過去の記憶がなく、双子だとは知らなかったのです。ここでは「リアルアカウント」の最終回がどうなるのか、ネタバレを含めて解説していきます。
柏木アタルと向井ユウマの過去と正体
リアルアカウントのユウマとアタル… はっwwこれじゃどっちが悪者かわかんねえなww pic.twitter.com/XmpZnHgmlf
— オーラキャノン (@raoomuyoutube) December 17, 2016
第1部の「黒歴史裁判」にて、柏木アタルの正体が実は双子の弟・向井ユウマだったことが分かります。幼い頃に双子の兄・アタルが交通事故で亡くなり、弟のユウマは自分よりも兄が生きている方が良いと思い込み、アタルになりすましたのでした。
そしてCAP(コピーアンドペースト)技術を使い、事故直後にまだ息があったアタルの複製人間を作りユウマの代わりにしました。2人はゲームでリーダー的存在でしたが、途中からアタルは主催者側に付き、ユウマは複製人間の副作用でトラウマなどが脳でフラッシュバックすると人格が豹変し、平気で人殺しをするようになってしまいます。
ユウマを慕っていた者も身の危険を感じ距離を取り始める中、ミズキやあやめといった仲間もいました。第3部では2人の直接対決が行われてユウマが勝利し、負けたアタルは内部から壊滅させるためリアアカ社に入ります。しかし終わったと思っていたゲームが実はまだ続いており、アタルは自分が仕掛けた罠にかかって死んでしまいました。
最終決戦の相手の正体
最終決戦の相手は真マーブルですが、その正体は亡くなったはずのアタルたちの父・柏木シンでした。シンはCAP技術の開発者であり、アタルとユウマの妹が生まれたときにもCAP技術で双子にし一人を里子に出しますが、その子というのが第1部に登場するヒロイン・神田こよりです。
ある時シンのもとにリアアカ社から技術提携の話があり、その誘いに乗ることになります。デスゲームの目的は「ネットのない世界を創ること」で、参加したプレイヤーたちも最後には「この世からネットがなくなればいい」と口にするのでした。
シンは過去にチトセという女性と結婚していましたが、子供を産み母親となった彼女に魅力を感じなくなり事故に見せかけて殺し、CAP技術で自分の死体も作って夫婦で事故死したように見せかけました。そしてリアアカ社に雲隠れし、強い好奇心からデスゲームを一番近くで見るために黒幕として活動していたのです。
最終回の内容
俺たちネット民はこの言葉がすごく刺さる。#リアルアカウント pic.twitter.com/gmw9E0AULk
— ルシュ(ruxu) (@katute66) April 17, 2023
最終決戦で真マーブルを倒した10ヶ月後、リアアカ社の思惑通りにはいかず世の中からネットはなくなっていません。最終決戦後、ゲームに負けたリアアカ社社長はユウマ達も巻き添えにして建物ごと爆破し、ユウマたちは自衛隊によって助け出されます。
ミズキは重傷を負って生死を彷徨い、片手を失いますが一命を取り留めます。ユウマはミズキを一生支えていくと誓い、カルアが男児を出産した病院へ向かうのでした。
そしてユウマ自身も、苦難とともに乗り越えたあやめと付き合うことを決めます。ネットいじめによる自殺のニュースが流れる中、ユウマ達はネットとの共存を決意するのでした。
【リアルアカウント】の箱は物悲しい過去を抱えていた
今回はSNSをテーマにしたバトル漫画「リアルアカウント」の登場人物の中でも、謎めいたキャラである箱の正体や過去について調査しました。
箱はかつて両親に捨てられた上、闇カジノに引き取られて9年もの間箱の中に閉じ込められ、人間サイコロとして過ごした物悲しい過去を持っています。しかし強運が積み重なり自由を手にし、天才ギャンブラーとしてデスゲームに参加するのでした。
箱は臆病な普段の様子と強気になった時のギャップやゲーム中に見せる強運、クセの強いキャラクターが魅力です。箱というキャラクターが気になる方は、ぜひ漫画「リアルアカウント」でその活躍をチェックしてみてはいかがでしょうか。