「美味しんぼ」はグルメ漫画の先駆けであり、アニメ化や実写化もされた人気作品です。1983年から連載している長寿漫画ですが、2014年から休載が続いており最終回や休載理由が気になる方もいるのではないでしょうか。そこで今回は「美味しんぼ」の最終回やこれまでのあらすじネタバレ、休載理由まで解説していきます。
【美味しんぼ】作品紹介
原作・原作・雁屋哲さん、作画・花咲アキラさんによる日本のグルメ漫画で、1983年に「ビッグコミックスピリッツ」(小学館)にて連載がスタートしました。1987年に「第32回小学館漫画賞青年一般部門」を受賞し、累計発行部数は1億3500万部を突破しています。
「美味しんぼ」はグルメ漫画ブームのきっかけとなった先駆け的作品であり、アニメ化や実写化もされた人気作品です。東西新聞文化部社員である山岡士郎と栗田ゆう子を主人公に食をテーマにしたストーリーが展開されていきますが、ストーリー性だけではなく料理の美味しさを表現する独特のセリフも人気のポイントと言われています。
美味しんぼの漫画とアニメの違い
美味しんぼは1988年~1992年に日本テレビ系列でアニメ化もされていますが、漫画とは違う点がいくつかあります。アニメではバブル期の日本の洗練された都会生活を丁寧に描写しており、オープニングやエンディングも80年代に流行したアダルト・コンテンポラリーなおしゃれな楽曲です。
アニメの大まかな内容は原作に沿っていますが、社会情勢をアニメ放送時に合わせたり、セリフを原作より抑えた表現にしたり、ギャグが一部カットされていたりなどの変更もありました。
【美味しんぼ】打ち切り最終回を迎えた?!
1983年からと長期連載されている作品ですが、実は何度も休載を繰り返しており、2014年から現在まで長期休載となっています。
8年以上休載し連載再開の予定も立っていないことから、打ち切りで最終回を迎えてしまったのではという噂もあります。「美味しんぼ」はこのまま連載を再開せず打ち切りとなってしまうのか、最終回について調査しました。
漫画・美味しんぼは111巻が最終回ではない
漫画は2014年5月から休載しており、現在の最新刊は111巻です。しかし長期休載をしているだけで打ち切りではなく、111巻が最終回ではありません。
休載前に「福島の真実編」での一部の描写に関して批判が相次ぎ、それが休載理由ではと言われていましたが、もともと「福島の真実編」は24話で完結する予定で、その後に休載するつもりだったということです。
アニメ・美味しんぼの最終回は
アニメは1988年10月から1992年3月まで、全136話が放送されました。アニメでは原作の1~34巻までと初期のストーリーが描かれていますが、視聴者の中には「ここで終わってしまうのか」という声も多かったということです。
その理由として、原作では主人公の結婚後に重要なエピソードがあるのですが、アニメではそこが描かれなかったことが挙げられます。原作では43巻で士郎がゆう子にプロポーズし、47巻で2人は結婚します。
結婚後に士郎と実の父親の和解という重要なエピソードがあるのですが、アニメでは34巻までしか描かれず、結婚する前に終わってしまったのです。またアニメ放送後30年経っており、当時と価値観が大きく変わっているため、アニメの続編はないと考えられています。
漫画・美味しんぼの現在の最終回111巻までのネタバレ
東西新聞社の創立100周年記念企画「究極のメニュー」を担当することになったグータラ社員・山岡士郎と新人・栗田ゆう子は次々と実績を挙げていきますが、2人の前にライバル・海原雄山が監修する「至高のメニュー」が立ちはだかります。
国内有数の陶芸家でもある海原雄山は山岡の実の父親で、山岡は父親を心の底から憎んでいました。最初は負け続きだった山岡も、次第に対等に勝負し時に勝利をおさめられるようになります。こうして、山岡親子の対決ドラマがスタートするのです。
また、ゆう子はグータラは山岡にはじめはイライラしますが、食のことになると並外れた知識を披露する彼に惹かれ始め、人としても深く尊敬するようになっていくのでした。過去を乗り越えた山岡はゆう子にプロポーズし、ゆう子の両親が付き付けた条件「海原雄山との関係修復・結婚式出席」もクリアしてめでたく結婚します。
しばらくしてゆう子が双子を出産し、同時期に日本の各県の食文化を追求するため「日本全県味巡り」がスタートする中で、山岡は海原雄山との勝負を通してさらに人として成長していくのでした。
最終回111巻で山岡と海原雄山が和解
何気に見てたが
長年いがみ合ってた親子が和解してて感動🥲#美味しんぼ pic.twitter.com/BomjF7RZ52— ヨース🐨 (@gogolife8823) December 3, 2022
山岡は作中で母方の姓を名乗り、海原雄山も息子との縁を切ったことを公言しています。2人が不仲となったのは、父親が厳しく、家庭を顧みずに病弱な母・とし子にもわがままばかりを押し付けていたことが原因で、山岡は母親を死なせたのは父親であると強く憎んでいました。
海原雄山も、自身の陶芸作品を全て叩き壊し家出した山岡を「息子とは認めない」と公言します。そんな2人の関係も、次第に和解の流れになっていきます。一歩となるのがゆう子との結婚で、ゆう子の両親に父親との和解を結婚の条件として突きつけられた山岡は、はじめは猛反発したものの最終的に受け入れたのです。
山岡は結婚し自分も父親になったことで、海原雄山への憎悪に疑問を抱き始めます。そしてゆう子が出した勝負テーマ「相手を喜ばせる料理」に真正面から2人が挑んだ後、海原雄山が待つ山岡は海原邸へ出向きます。そして2人は母親の遺影を前にしてワインのグラスを傾け、長年の確執が解けるのでした。
【美味しんぼ】の休載の理由は
長期休載となっている「美味しんぼ」ですが、なぜ休載することになったのでしょうか。休載したのは「福島事件」が原因ではという噂もありますが、本当の理由については原作者がブログで語っていました。ここでは「美味しんぼ」の旧債の理由について調査しましたので、気になる方はぜひチェックしてみてください。
漫画・美味しんぼは福島を舞台に不適切なシーンがあった⁈
漫画では110巻から「福島の真実編」が始まり、2011年3月11日に発生した東北地方太平洋沖地震の後の話をテーマに取り上げています。「福島の真実編」は福島の食材の安全性を訴えながら描かれていたのですが「福島の真実 22」で山岡が鼻血を出すシーンがあり、大きな問題となって炎上してしまったのです。
作中では福島第一原発を訪れた山岡が原因不明の鼻血を出し、医者には「福島の放射線と関連付ける医学的知見はない」と言われますが、この描写が「放射線を浴びると鼻血が出る」「鼻血が出ていたら放射線の影響」といったイメージを抱かせ、風評被害になると批判を受けたのでした。
これに対し、原作者は自身のブログに「自分が2年かけて福島を取材した真実をありのまま書くことが、なぜ批判されるのか分からない」と書きこんでいます。その後、この問題の最中である2014年5月19日の25号を最後に休載となったため「福島の真実編」の炎上が休載の原因ではと言われたのです。
原作者が休載の理由を語る
美味しんぼ 福島の真実編が比類なく素晴らしいのは、あくまでも「人」を取材していること。漫画の良さを生かし、データだけでなく福島(日本)の文化、歴史、経済、感情を可能な限り救い取り保存。これを超える作品は当面現れないのではないか。 pic.twitter.com/UK29HJiDKK
— studying (@kotoetomomioto) December 11, 2014
休載の本当の理由については、原作者の雁屋哲さんがブログにて明かしています。ブログでは「休載は去年から決まっていたことだ」とし「(福島の鼻血の描写について)寄せられているさまざまな意見を編集部が考慮して決めたわけではない」と一連の騒動が原因ではないことを強調しました。
もともと「福島の真実編」は1巻分の予定だったが、内容的に2巻分に収まる限界の24話で完結する予定だったということです。また「過去にも何度か休載していて、6ヶ月以上したこともある。連載が長期化すると、時には休みを取る必要がある」と休養が理由であると語っています。
原作者によれば、休載の本当理由は炎上ではなく、もともとこのタイミングで休養のために休載する予定だったということでした。
漫画・美味しんぼは111巻は絶版⁈
現時点での最新刊である111巻は、在庫がなく手に入れるのが難しい状態です。重版をする予定も今のところないということで、絶版となっています。最新刊が絶版状態にあることから、読者の中には「このまま打ち切りになるのでは」という声もありますが、打ち切りではなく長期休載です。
漫画・美味しんぼの112巻発売の可能性は？
次の最新刊となる112巻は、いつ発売されるのでしょうか。2016年3月に原作者がブログを更新し「近く連載を再開し、大団円を描いて連載を終了する」「連載30年は長すぎる」と書き込みました。
まず連載を再開しなければ112巻は発売しませんが、原作者は「ずいぶん長い休載ですが、終了したわけではない。ただ再開については、私の一存では言えない」とブログに書いています。
「最後は登場人物を総出演させて、楽しく騒いで大団円にしたい」と最終回の構想についてコメントしているため、まだ連載再開の可能性はあると言えるでしょう。連載の再開や終了については「スピリッツからのお知らせをお待ちください」とあるので、公式の発表を待つしかありません。
【美味しんぼ】の主要キャスト
「美味しんぼ」は山岡士郎と栗田ゆう子の2人が主人公となり、ストーリーが展開していきます。最後に、主要キャストである2人のキャラクターについてご紹介します。
主要キャスト①主人公・山岡士郎
東西新聞社文化部記者で社内イチのグータラ社員ですが、食べ物のこととなると優れた味覚と並外れた知識、プロ顔負けの料理の腕前を発揮します。美食倶楽部を主宰する陶芸家・海原雄山の一人息子であり、父親とは深い確執があります。実写版では唐沢寿明、松岡昌宏、佐藤浩市など錚錚たる俳優が演じました。
主要キャスト②ヒロイン・栗田ゆう子
美味しんぼ読んでるんだけど、山岡士郎がお見合いした（義理だが）と聞いた時の栗田ゆう子の怒りがめちゃ可愛い pic.twitter.com/944AXjQfZ7
— ふくさんのグッドフクサニティ賞 (@fukusanity) January 8, 2022
東西新聞社文化部の新人記者で、配属されて3日目に山岡と共に「究極のメニュー」の担当になります。真面目で人当たりが良く、グータラな山岡にいつもイライラしながらも良きパートナーとして活躍していくのでした。
食べ物に関する知識は勉強中であるものの、味覚は山岡やライバル・海原雄山もうならせるほど非常に優れています。作品の前半ではストーリーの進行役、アニメではナレーションもしています。
山岡士郎と栗田ゆう子の結婚後のストーリーが面白くない⁈
長年連載している人気漫画ですが、実は山岡士郎と栗田ゆう子が結婚した後のストーリーが面白くないという声が多くあります。はじめは食を通して文化を理解するというテーマでしたが、結婚後は政治が絡むようになってきたことが原因の一つと言われています。
また作者の思想や主義主張を登場人物が代弁するようなことが多くなり、グルメ漫画なのに料理と関係ないシーンが面白くないという声も見られました。
美味しんぼは30年にわたる長期連載漫画
今回は、人気グルメ漫画「美味しんぼ」の最終回やあらすじネタバレ、休載理由について調査しました。「美味しんぼ」は30年にわたる長期連載漫画ですが、2014年から休載が続いています。
休載の理由は作者の休養でしたが、現時点では連載再開の情報はなく公式の発表を待つしかありません。原作者は最終回の構想もブログでコメントしているので、連載の再開を期待して待ちましょう。
