原作第86巻、川中島殺人事件にて長野県警の警官として初めて登場した人物です。一時的に同じ県警となっていた大和からは「どこかの組織の大ボスのような面構えだ」といわれるほどの強面が特徴です。
過去何らかの大きな事故に遭遇したらしく、10年近く意識不明のまま病院で入院していた経緯があります。顔にやけど跡があり、また右目には眼帯と義眼をしており当時の事故の影響のものです。
かねてより頭が回るとされているコナンに関しては出会う前から注目をしていたらしく、実際に事件が発生した際には彼の指示通りに部下を動かすなど信頼している様子でした。
それでいて自身も冷静沈着で何が起きても動揺するような場面は見られず、どっしりと構えた風格から人の上に立つ人物としてふさわしい雰囲気を持ち、警視になっているのも納得がいくというものです。
【名探偵コナン】黒田兵衛の正体はRUM?(ネタバレ)
警察側の人間であるのならば問題なさそうにも思えますが、その風貌や作中での描かれ方などから並々ならぬ人物なのではないかとされていました。そして、正体候補の1つだったのがRUM=ラムです。
RUMとは
ラムとは、コナンが追い続けている黒の組織にてナンバー2と目されている人物のコードネームです。黒の組織のメンバーでコードネームを持つ人物として唯一別格とされており、ボスの側近でもあります。
コナンと同じく組織を追っている赤井秀一からも、実働部隊のリーダー格としてたびたび登場しているジン以上の大物であるとしており、組織内においても様々なメンバーに対して指示を出している描写があります。
一般人によって工藤新一が生きていたという事がインターネット上で広まると、過去にAPTX4869を使用した人物のリストとして名前があったにもかかわらず生きていた人物という事で、彼の情報を集めるよう各メンバーに指示しています。
子供のころに発言しあらゆる物事を目で追うだけで記憶指示際に思い出すことのできるフォトグラフィックメモリーなる能力を有しており、これによって財界の大物たちの弱みを握り組織を押し上げた経緯があります。
実質的に黒の組織を育て上げ現在の規模にまで押し上げた立役者たる人物であり、RUMを失う事は組織としても多大なる損失となるためにナンバー2という事もあって中々表舞台に出てくる事はありません。
黒田兵衛の正体がRUMたど思われる理由
作中では、ラムと思しき候補の人物が3名挙がっており、それが若狭留美、脇田兼則、そして黒田兵衛の3人でした。というのも、ラムの身体的特徴として「片目が無い」というものがあるからです。
若狭留美は右目に障害があると目されており、そして黒田および脇田に関してはそれぞれ眼帯を付けているという事で三者三様に一致していることから、このうちの誰かがラムであると見られていたのです。
特に黒田に関しては、数多あるラムの噂の中でも「屈強な大男」であるというものに合致しており、尚且つ強面で片目が義眼であるという事実が確定しているために非常に怪しい描き方をされていました。
更に安室透に対して電話越しに「バーボン」という彼の黒の組織としてのコードネームで呼んでいる描写もあった事などから、候補として様々な理由があるのです。
しかし、かつて組織にいたはずの灰原哀を間近で見ても特に何も感じなかったり、灰原自身も強面に怖がりこそしたものの黒の組織特有の感知をしなかった事といったように、不自然な部分はありました。
RUMの正体が判明?
そして作中では、RUMの正体が判明する事となります。その正体は、先に挙げていた候補の一人である脇田兼則であり、コナンらがいる毛利小五郎探偵事務所の隣で板前をしている人物だったのです。
板前として見せている姿こそひょうきんな江戸っ子らしき人物ですが、完全なる夜を偲ぶ仮の姿でありその実裏では黒の組織のナンバー2として恐ろしい顔を見せていたわけです。
これによって、若狭留美と黒田兵衛の二人はそれぞれに異なる経緯こそあれども黒の組織の関連人物ではないという事が確定しました。
ただ、この両者ともがRUMが17年前に関わっておりそして失態を演じた羽田浩司とアマンダ・ヒューズ2名の殺人事件において、それぞれの形で関係をしていたことも判明しています。
板前の脇田としての中年姿は完全なる変装であり、左目の眼帯も義眼を隠すためのカモフラージュでした。それらをすべて取っ払った本来の姿は、ガタイが良い禿頭のゴッドファーザーをほうふつとさせる出で立ちです。
当然ながら脇田としてのひょうひょうとした江戸っ子としての性格も演技で、本来のRUMになると誰に対しても警護ではありますが常々冷静でかつ威圧的な雰囲気を放ちます。
【名探偵コナン】黒田兵衛の正体は赤井務武?(ネタバレ)
こうして黒田兵衛は黒の組織の人物ではないという事が判明したわけですが、実はまだその正体として噂されている人物がおり、それが赤井務武です。
赤井務武とは
赤井務武は、赤井秀一と羽田秀吉、そして世良真純3名の父親であり、メアリー世良の夫です。灰原哀は彼の姪という続柄であり、義妹に宮野エレーナが居ます。
17年前にアメリカで発生した羽田浩司とアマンダ・ヒューズ二人の殺害事件調査を依頼されており、単身アメリカへわたりますがそこでその事件に黒の組織が関与している事実を突き止めます。
しかし、これによって自身もまた黒の組織に狙われてしまうようになったことから、危険を感じて家族を日本へと送り届けますが、その後の消息に関しては一切不明のままとなっています。
黒田兵衛の正体が赤井務武だと思われる理由
そんな赤井が黒田の正体であるという理由は色々と挙げられるのですが、大きく分けて4つ程の複線又は共通点とされている部分があるのです。
- 10年近く病院で入院していたこと
- 事故の影響で黒髪が白髪になり見た目が別人
- 羽田浩司の事件現場を回想するシーン
- 口癖が「ぬかるなよ」
羽田浩司とアマンダの殺害された事件が発生したのは17年前であり、赤井はその事件を調査することになって以降消息が不明なままですが、遺体が発見さ入れていない事からメアリー世良はまだ死んでいないと踏んでいました。
もし事故の影響によって意識を失っているのならば、遺体が発見されていないのも当然です。髪の色も黒から白髪に変わっているという事で、まるで別人ということから二人が同一人物だとしても分かりにくいものです。
第93巻においては、羽田浩司が実際に事件が発生し倒れている場面の回想が描かれていて、同じ日に殺害されたアマンダ・ヒューズも合わせて黒田、そして若狭は事件に関係している人物である事も分かっています。
若狭留美が羽田浩司のボディーガードである浅香であれば、羽田浩司の事件にて赤井と遭遇している可能性も浮上してくるという訳です。
そしてもう1つが「ぬかるなよ」というセリフです。FBI捜査官こと黒の組織においてはバーボンのコードネームで通っている安室に対し、黒田がこのセリフを使っています。
そしてこのセリフは、メアリーが自分の娘である世良真純に対しても使用しています。メアリー世良は、赤井が消息不明になって以降自分が父親代わりになる事も含めて、務武の言動をまねています。
言動を真似た結果「ぬかるなよ」というセリフが出たという事は、赤井自身がよくセリフとして使っていたという事にもなりますので、この点も共通点として挙げられるのです。
黒田兵衛の正体が赤井務武である可能性は低い?
しかし、否定的な考察も様々存在しており、そんな中で第104巻、チェスの話で若狭留美と黒田兵衛がすれ違った時に会話をしている様子が描かれています。ここで二人の回想に入り、17年前に二人がすれ違っていたことも分かっています。
ここで注目するのは、17年前にすれ違っていたのが若い時の黒田であるということです。赤井務武についての回想は海の家の時にも出てきており、その時の赤井の姿は黒だとは違っていました。
この時点で別人である可能性が濃厚となってきた中、同じ104巻にて17年前の事件の全貌が明らかになります。そして、黒田の怪我やその時の経緯などがすべて描かれたのです。
この事件が発生した後日に、羽田家から赤井にたいして事件の内容を調査してほしいという依頼があったのです。この時黒田は既に病院に入院していますので、二人が完全な別人である事が確定しました。
【名探偵コナン】黒田兵衛の正体は公安の裏の理事官?(ネタバレ)
黒の組織、そして赤井務武と正体は色々と考察されている黒田兵衛ですが、更にもう1つ公安の裏理事官を務めているという説もあり、これが最も有力とされているのです。
裏の理事官とは
コナンの世界における裏の理事官というのは、警察官僚の中で入庁15年程の警視正が就任してから1年から3年ほど勤める役職です。警察庁警備局企画課、通称ゼロには安室透が属しているのですが、そのトップの役職でもあります。
この理事官を務めることによって、警視庁の中でも最高峰の役職である警視総監などの役職へも出世をすることができるとされていて、作中では黒の組織に潜入している安室に対して唯一指示を出すことができるほどの立場です。
もし仮に黒田がこの裏理事官を務めている人物であるとすると、非常に優秀な警察官僚であるということの証明でもあります。年齢的にも50歳という事で、ちょうど適正とされています。
黒田兵衛の正体が裏の理事官だと思われる理由
2018年に公開された劇場映画「ゼロの執行人」にて、初めて裏理事官という役職と存在が明かされています。名前こそ最後まで出てきませんでしたが、安室に対して指示を出している事から確実に上司の立場である事が分かります。
黒田自身、警察庁の出身であるという事をコナンに対して発言しています。当時は長野県警にいたので長野県警でもよいですし、警視庁などでもよいはずが警察庁と言っており、ここに所属している人物には降谷零もいます。
更には、公安のゼロに所属している安室のことを「バーボン」と呼んでいる事を先述しましたが、潜入している黒の組織でバーボンと呼ばれているのを知っており、そこからバーボン呼びをしている可能性が非常に高いのです。
黒田兵衛の正体は裏の理事官で確定?
そしてとうとう、伊織無我の話の中で黒田が警察庁における裏の理事官を務めている人物である事が確定的となります。加えて会話からゼロに属している降谷零の上司であるらしく、ゼロで初登場した裏の理事官で間違いないと分かったのです。
更に104巻では、17年前の事件が発生した当時の黒田の肩書についても判明しており、33歳時点で「警察庁警備局警備企画課」に属している人物、すなわちゼロのメンバーであったと分かっています。
【名探偵コナン】黒田兵衛の正体は公安のボスでほぼ確定
黒田兵衛に関する噂は色々とありましたが、正体としては公安のボスという立ち位置でありコナンたちにとって味方になってくれる人物でした。活躍が気になる方は是非とも本誌とアニメをチェックしてみてください。
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